私たちは今、「タイパ(タイムパフォーマンス)」や「コスパ(コストパフォーマンス)」を重視する時代の真っ只中にいます。
SNSで他人の失敗談を予習し、レビューを見て飲食店を選ぶ。
効率的に、最短距離で、無駄なく結果を出そうとする人が増えています。
でも、果たしてそれは本当に”得”をしているのでしょうか?
みんなが効率を求めた結果、「凡庸な人間の量産」が起きている
ハーバード大学のトッド・ローズ教授は、著書『Average Is Over』の中で、「標準化や効率化が進めば進むほど、個人の差別化は難しくなり、凡庸な人材が量産される」と警鐘を鳴らしています。
実際、プログラミング・Webデザイン・動画編集など、かつては”希少スキル”とされたものも、今では学習環境が整い、誰もが手軽に習得できる時代です。その結果、市場は飽和し、価値は下がり続けています。
さらに、ChatGPTをはじめとする生成AIの台頭により、ロジカルで効率的な業務はどんどん自動化されています。人間が機械と同じ土俵で戦う意味は、日に日に薄れているのです。
月商100万円を超える人たちに共通する「非効率な習慣」
では、今の時代、本当に突き抜ける人はどんな人でしょうか?
面白いデータがあります。あるマーケティング支援企業「フロントラインワークス」の成功者分析によると、月商100万円を超える人たちに共通するのは以下の特徴でした。
✅ 誰も注目しない技術や分野に長期間取り組み続けた
✅ 「それ、割に合わなくない?」と周囲に言われても気にしなかった
✅ コスパ・タイパでは測れない「経験値」と「深い技術」を積み上げた
周囲が避ける「割に合わない道」を選び、地道に継続することで、着実に市場でのポジションと希少価値を手に入れているのです。
実は「非効率」こそが、人間らしさと差別化の源泉
AIやロジックが社会の効率化を担う時代、人間が差をつけられるのはどこでしょうか?
それは、感情的・非効率・人間臭い部分です。
ビジネスの現場でも、Zoomだけで済ます人と、わざわざ現地に足を運ぶ人。
後者は一見、タイパ・コスパが悪いように見えますが、その”無駄”の中に、信頼関係・偶然の出会い・深い学びが詰まっているのです。
心理学者のロバート・チャルディーニ博士も著書『影響力の武器』で、「人は合理性よりも感情や関係性で動く」ことを明らかにしています。つまり、効率化では得られない”人間らしさ”が、ビジネスや人生の本当の差別化要素になるのです。
3ヶ月で見ると「割に合わない」、10年後に大逆転する
「割に合わない」と感じるのは、時間軸の切り取り方の問題です。
短期的には無駄に思えることも、10年、20年というスパンで見れば、その積み重ねが圧倒的な差になります。
実際、以下の研究がそれを裏付けています。
✅ アンダース・エリクソン博士の研究
世界的な成功者は「1万時間の意図的な練習」を積んでいる
※近道や効率だけでは、深いスキルや知識は身につかない
✅ ハーバードの成人発達研究(75年以上続く追跡調査)
人生の幸福度や成功は、「短期的な成果」よりも、「長期的な人間関係や挑戦」が影響する
タイパ・コスパを追わない。それが最大の勝ち筋
だからこそ、あえてこう言いたいのです。
「割に合わないこと、どんどんやっていこうぜ」
・周りが避ける道
箏のお稽古は地味地道
・非効率と笑われる挑戦
受験や成績などには直接関係しない
・すぐには結果が出ない努力
うまくなるまでに、ある程度ではなく、非常に長い時間と多くの経験が必要
そこにこそ、本当の宝が眠っています。
みんなが3ヶ月で諦めるなら、自分は10年続けよう。
「それ、意味あるの?」と笑われたら、逆にチャンスだと思おう。
短期のコスパ・タイパを捨てた先にしか、圧倒的な差別化と本物の成功はありません。
まとめ|今こそ「割に合わない道」を選べ
現代は効率が重視されるからこそ、あえて非効率を選ぶことが、結果的に一番の近道であり、最強の生存戦略になります。
割に合わないことにこそ、本当の価値がある。
これを忘れず、泥臭く、地道に、誰もやらないことを続けましょう。
タイパ・コスパ時代を逆手に取る、その一歩が、あなたを凡庸な量産型から抜け出させてくれるはずです。