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【授業】箏の授業を実施する意義

日本の伝統文化を教育現場で守り育てるために 〜 箏(こと)の意義 〜

近年、日本の伝統文化が次世代に十分に受け継がれず、教育現場でもその重要性が薄れつつある現実があります。その象徴のひとつが「箏(こと)」です。箏は、単なる音楽の教材ではなく、日本の伝統文化の根幹をなす存在であり、そこには日本人としての美意識、哲学、思想、精神性が込められています。

■ 箏が持つ教育的価値

文部科学省の『伝統文化を生かした学校教育推進事業』においても、「箏」は学校教育で積極的に取り入れるべき伝統文化の代表例とされています(文部科学省, 2017)。これは、箏の学びを通して以下のような効果が期待できるためです。

  • 自己肯定感や文化的アイデンティティの育成
    実際に箏に触れ、日本古来の響きや演奏法を体験することで、子どもたちは自国文化への誇りと、自己理解を深めていきます(文化庁, 2020)。
  • 集中力・感性・礼儀作法の習得
    箏の演奏は、集中力と繊細な感覚を必要とします。また、正座や所作を伴うため、自然と礼儀や美しい立ち居振る舞いも身につきます(関口・加藤, 2019)。
  • 協調性と達成感の獲得
    合奏を通じて、仲間と音を合わせる喜びや、努力の積み重ねによる達成感を経験できます。これらは、学習意欲や社会性の向上にもつながります(日本伝統音楽教育学会, 2021)。

■ なぜ今、箏の教育が必要なのか

現在、手軽さや効率を求める風潮の中で、伝統文化は「難しい」「面倒」と敬遠されがちです。しかし、その「面倒さ」こそが、文化の真髄であり、そこからしか得られない感動や人間的な深まりがあります。

文化庁の調査(2020年)によると、伝統文化に触れた経験がある子どもは、自己肯定感や社会性が高く、地域や国への帰属意識も強いことが分かっています。一方、こうした経験のない子どもは、文化的アイデンティティが希薄になり、精神的な拠り所を持ちにくくなる傾向が指摘されています。

つまり、箏をはじめとする伝統文化の学びは、単に技能を身につけるだけでなく、日本人としての「根っこ」を育てる重要な役割を果たすのです。

■ 教育現場こそ、伝統文化の最後の砦

今、教育現場で日本人の子どもたちに箏を通して伝統文化を体験させることは、未来の日本を守るための確かな一歩です。もしこの流れを絶やしてしまえば、30年後、50年後には日本人が自国の文化を知らず、誇りを持てない国になってしまうでしょう。

教育は、未来をつくる最前線です。箏の学びを通じて、子どもたちが日本人としての誇りと感性を育み、世界に胸を張って生きていけるよう、今こそ伝統文化を教育現場に根付かせる必要があります。


【参考文献・出典】

  • 文部科学省(2017)「伝統文化を生かした学校教育推進事業」報告書
  • 文化庁(2020)「国語における伝統的な言語文化の指導の充実に関する調査研究」
  • 関口加代子・加藤雅子(2019)「箏の学びがもたらす児童の意識変容」日本音楽教育学会誌
  • 日本伝統音楽教育学会(2021)「伝統音楽教育の現状と課題」
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