事前質問

箏体験佳寿美会 未分類

3月、小学校4年生を対象として箏の体験授業をします。
事前にご質問を受けましたので、シェア致します。

演奏の仕方や音色について


・どの糸にどの指を置くということは、決まっているのですか。(ピアノやリコーダーなどは運指にきまりがあるので)
>主に親指の爪でひきますが、その他の指を使用する場合は譜面に表記があります。

・ 演奏を練習しているときや本番のときなど、音を変えるために柱を動かしていたら音が変わることはあるのですか。
>柱を動かすと音を変えることが出来ます。柱を動かして音階を作ることを「調弦」、曲の途中で音または音階を変化させることを「転調」と言います。

・ことの音の中で、何の音が一番すきですか。
>箏は柱を動かして音を変えるため固定の音は無いのですが、低い音が好きです。

・音を出していけないときにつめが糸に触れてしまったら、どんな音が出ますか。その音が出てしまったことはありますか。
>カシャカシャと雑音が入ってしまいますね。緊張して、間合いに音を出してしまったこともありますよ。(遠い目)

・つめの当て方を間違ってしまったことはありますか。
>ありますあります。お稽古では何でもなく出来ていたところを本番で間違ったり、何回お稽古しても出来なかったところが本番でだけうまく行ったり、本当に摩訶不思議ですね。

・ことをひくとき、手はどのように動かしますか。
>あまり動かさずに、クセの無いように意識しています。

・ことに、「ドレミファソラシド」はありますか。
>あります。柱を動かしてドレミファソラシドに合わせることもありますよ。足りない音を作るときは押し手で音を半音上げて作ります。

・「さくら」を演奏するときは、親指でないとだめなのですか。
>さくらは色々な人が様々に編曲しており、薬指でひくピッチカートの奏法などもあります。

・ことを長い時間やっていると、指が痛くなりませんか。怪我をしたことはありますか。
>左手の人差し指・中指は押し手の多い曲をしているとカチコチになるときがあります。慣れてくると痛くはないものです。薬指でひくピッチカートで水膨れになったこともありましたね。

・弦を押さえる手は、指が切れたり怪我したりしないのですか。
>切れることはなかったですね。皮がむけたりカチコチにはなりますよ。

・ことを上手に弾くコツを教えてください。
>お稽古のときは自分が一番へたくそだと思ってお稽古に励め、本番は自分が一番うまいと思って臨めと教わりました。
 私の経験上「自分はこの曲を必ず仕上げる・出来る!と思うこと」「他の人の演奏をきくこと」「人前で積極的に演奏を披露すること」がポイントです。ですが、一番大事なことは「やめないこと」だと思っています。どんなに才能があってもやめてしまえばそれまでです。

つめについて


・角づめ、丸づめのどちらをよく使っていますか。
>生田流なので、角づめです。丸づめも持ってはいますが、使用したことはありませんね。

・角づめ、丸づめでは、何が違うのですか。それぞれのメリット、デメリットはありますか。
 また、音はどのように違うのですか。
>メリットデメリットはありませんが、流派や音色や奏法が違います。

・なぜ、角づめと丸づめでは使う場合に座り方が違うのですか。
>流派の違いによるものです。

・角づめと丸づめを同時に指にはめて使うことはありますか。
>ありませんね。

・つめは、なぜ親指、人差し指、中指にはめるのですか。
>薬指や小指にはピッチカートや支えることなどの役割があります。

楽器について

・ことは、どこで作られているのですか。
>広島などが有名ですね。

・ことは、どうしてこの形をしているのですか。ことの竜尾の方にあしがないのは、なぜですか。
>昔の人は龍に例えてお守りとしていたようです。

・柱は、どうしてばらばらなのですか。
>よりたくさんの音を自由な高さで出すことが出来るようにでしょうか。

・ことの柱を動かすと、何がどのように変わるのですか。
>音をあげたりさげたりすることが出来ます。

・磯は、何でできているのですか。
>磯に限らず、桐や杉などで作られます。

・糸が切れることはないのですか。1本の長さはどれくらいですか。
>ありますよ。切れたこと。お稽古用の箏はしょっちゅうです。箏の長さは大体180㎝あり柏葉のところで巻いているのでそれ以上ですね。

・なぜ糸は13本はってあるのですか。
>昔は仁、智、礼、儀、信、文、武、翡、蘭、商、斗、為、巾と呼んでいたそうです。

・なぜ、弦の位置、高さがそれぞれ違うのですか。
>たくさんの音を出すためだったのではないでしょうか。

・ことには、種類はありますか。また、種類があるなら何種類あるのですか。
>種類は大きく二種類です。生田箏と山田箏です。

・一番高いことは、いくらぐらいするのですか。
ピンキリとしか申し上げられないのです。箏に装飾するかしないかでもかなり変わってくるのです。

演奏者としての気持ち


・ことの、どんなところが魅力ですか。
>神様が背負っていた楽器なんて他にありませんし、途方もなく長い時間人々に愛され残ってきた楽器であるというところです。

・ことに興味がわいたのは、いつですか。
>2歳からお稽古していたそうですのであまりよく覚えていませんが、しいて言えば…活動を行ううちに問題点を見つけて解決する為の活動をすると決めたときでしょうか。課題を見つけて解消することは簡単ではありませんが、だからこそ面白くのめり込んだのだと思います。

・どうして箏を始めたのですか。
>母が先生でした。着物を着せてよろこんでくれたみたいです。

・箏は、何歳から始めたのですか。何年間演奏しているのですか。
>2歳からです。小学4年生で初舞台でしたから、演奏は31年です。

・どれくらい練習した(練習している)のですか。
>子どもの頃は毎日15分やっていました。試験前は10時間くらいやっていましたか…。今では毎日15分、演奏依頼があると譜面をチェックする程度です。

・どのくらいで、箏を演奏できるようになったのですか。覚えるには、何ヶ月かかりますか。
>1回で出来ます。ひくだけならとても簡単なところも箏の魅力です。「ひけた!」という達成感を感じやすいんです。覚えるということはひき方など一通りのことでしょうか?箏曲では「初伝」という免状がありますが、そこで六段の調べをひくと一通り覚えたといってもよろしいのではないでしょうか。どなたも1年も経てば覚えていらっしゃいます。また試験や演奏会によっては「暗譜」がありますがそういう意味の覚えるならば、10回くらいひけば覚えるのではないでしょうか。

・ことは、どのくらいやると上手いと認められますか。
>期間や時間でもないのかな?と思っています。また、あまり認めてほしいと思ってひいているわけではないのですが…うーん。人前に出てたくさん演奏すると色々な声をいただきますので、それを受け入れたり受け流したりしながらも演奏を続けていけたら、曲や音色の美しさに続けてきたという迫力がついてうまいになるのでしょうか。見せ方やご要望もありますので、すり合わせてうまいと言ってもらえるようにひくのも一つでしょうか。

・箏は、どういうところが楽しいですか。楽しいと思うのは、どんなときですか。
>ひけたら楽しいです。ひけなくても「ひけるまでやる!」と前向きに考えることが出来るので楽しいです。また合奏できるのも楽しいですよ。関連して着物を着られることも楽しみの一つです。

・箏のどんなところが難しいですか。
>箏に限らず難しいとあまり考えたことは無いです。「難しい」と考えた瞬間に出来なくなると考えています。まず「好きか嫌いか」「やりたいかやりたくないか」で「やる」と決めたら「どうすれば出来るのか」しか考えません。

・ことを弾いていて、楽しかったことや嬉しかったことは何ですか。
>母や妹、仲間と合奏したことです。また東日本大震災の時に、演奏で被災者の力になれたことは今でも心に残っています。

・ことをやめたい、飽きたと思ったことはないのですか。辛いと思うことはありますか。
>やめたいと思ったことは無いです。たいてい箏を通した人間関係で悩むのでやめるのは人間関係の方です。箏はひくのは簡単ですがとても奥深いので飽きることはないです。

・ことは、どんなところが工夫されているのですか。
>縄文琴から現在まで色々な工夫がなされています。論文を書いたので、ぜひ読んでみてください。

・ゆっくりな曲と速い曲だったら、どちらが得意ですか。
>もうこれは断然速くて激しく緩急のある曲です。ゆっくりしていられないのですよ。妹はゆっくりした曲を得意としており、性格が出ますね。

人について


・尊敬していることの先生はだれですか。
>私は理想の箏奏者を自分の中にしっかり持っていて、目的・目標・理念・コンセプトなども定まっているので、常にその人になろうとして活動しています。なので、他の誰かを尊敬していることはありません。ですが、母はじゃじゃ馬の私に根気よく箏を教えてくれたので、すごいと思っています。

曲について


・一番難しかった曲は何ですか。一番弾きやすい曲は何ですか。
>同じ人間ですので、あまり難しい曲と感じたものはありませんが、自分の感性に合わないと何度ひいてもうまくひけませんし、覚えることが出来ません。不思議ですね。

・箏の中で、一番好きな曲は何ですか。
やはり、さくらでしょうか。色々ひきましたが、やはり、シンプルで美しい日本の音階はいいなと思います。



コメント

  1. […] 事前質問また、テレビ局からの取材依頼があったり、民友新聞の取材もあり、関心の高さもうかがえます。 […]

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